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弘法大師「空海」さまの名前の由来や縁のあるお寺をご紹介

2025年06月12日

弘法大師「空海」さまの名前の由来や縁のあるお寺をご紹介

こんにちは!茨城県の村松虚空蔵尊です。

 

日本仏教を代表する高僧として知られる、弘法大師「 空海」さま。

歴史の教科書にも登場し、今なお多くの人々に尊敬されていますが、「空海」という名前にはどのような由来があるのか、ご存じでしょうか?

 

今回は、その由来とともに、空海さまの人物像や生涯、さらには当山・村松虚空蔵尊とのご縁についてもご紹介いたします。

 

 

弘法大師「空海」さまの名前の由来は?人物像や歴史も

「空海」という名前には、深い意味と逸話が込められています。

その由来を確認しましょう。

 

空海という名前の由来

「空海」という名前には、空海さまご自身の修行体験が深く関わっていると伝えられています。

 

若い頃の空海さまは、「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」という修行に取り組まれました。

これは、虚空蔵菩薩の真言を百日間で百万回唱えるという、非常に厳しい修行です。

この修行を成し遂げた者には、優れた記憶力や智慧が授けられると伝えられています。

 

修行の最中には、口に明星(虚空蔵菩薩の化身)が飛び込んできたという逸話もあり、空海さまはこの体験を通じて悟りに至ったといわれています。

 

修行で籠っていた洞窟からの視界の中から見えるのは空と海だけ。

この風景から、ご自身の名を「空海」とされたと伝えられています。

 

人物像と生涯

空海さまは、宝亀5年(774年)、現在の香川県にあたる讃岐の地でお生まれになりました。

幼名は「真魚(まお)」といい、幼い頃から学問に秀でた人物として知られています。

青年期には勉学のために都へ上り、18歳で官吏を目指して最高学府である大学に入学しました。

 

しかし、学問を重ねるうちに「出世のための学びでは、人を本当に救うことはできない」と感じ、大学を中退して、仏道に入られます。

 

四国や奈良の山々を巡りながら修行を重ね、22歳のときに「空海」と名乗るようになったといわれています。

 

31歳のとき、遣唐使として唐(当時の中国)に渡り、密教の高僧・恵果(けいか)から教えを受けましたが、当初20年の留学予定をわずか3年で終え、806年に帰国します。

 

帰国後は、真言密教を広め、「真言宗」を開かれました。

和歌山県の高野山には「金剛峯寺(こんごうぶじ)」を開創し、現在も多くの参拝者を迎えています。

 

また、京都の「東寺(教王護国寺)」も託され、仏教のみならず、土木・治水事業、教育、書道など幅広い分野で功績を残しました。

なかでも、身分を問わず学びの場を開いた私立学校「綜芸種智院(しゅげいしゅちいん)」の設立は、教育の機会を広げる画期的な取り組みでした。

 

晩年は高野山にて静かに過ごされ、承和2年(835年)に入定(にゅうじょう:永遠の瞑想)されたと伝えられており、現在も高野山・奥之院では空海さまが修行を続けていると信じられています。

 

 

弘法大師「空海」さまに縁のあるお寺もご紹介

花

空海さまが日本各地に多くの足跡を残されたことは広く知られていますが、ここ茨城県にもご縁のあるお寺が存在します。

 

それが、当山・村松虚空蔵尊です。

 

村松虚空蔵尊と空海さまのご縁

村松虚空蔵尊は、平安時代初期の大同2年(807年)、空海さまによって創建されたと伝わります。

 

本尊である虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)は、空海さまご自身がお刻みになり、「日本三体虚空蔵尊」の一つとして数えられています。

 

虚空蔵菩薩は、知恵と福徳を授ける仏さまとして知られ、とくに記憶力や学業成就のご利益があるとされています。

 

空海さまが若き日に実践された「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)」も、まさにこの虚空蔵菩薩に祈る修行でした。

 

当山ではこのご縁から、「知恵授けの十三詣り」の名所として広く親しまれています。

「十三詣りといえば村松虚空蔵尊」と言われるほど、多くの方に信仰されており、全国から参拝に訪れる方が後を絶ちません。

 

村松虚空蔵尊のご利益

村松虚空蔵尊は、福徳智能・開運出世・無病延命・諸願成就など、さまざまなご利益をいただけるお寺です。

 

特に知恵の仏さまとして、頭脳明晰や記憶力増進、学力向上を願う参拝者が多く訪れます。

また、厄除け・方位除けなどのご祈願も受け付けており、初詣や節分、七五三などの年中行事でもにぎわいます。

 

お寺へのお参りはいつ行くのが良いのか、目的別のタイミングについては「お寺はどんな時に行くもの?主な目的や訪れて良いタイミングをご紹介」で詳しくご紹介しています。

護摩祈願は予約不要で、当日受付にてご参加いただけますので、どうぞお気軽にお参りください。

 

 

まとめ

●空海さまというお名前には、若き日に行われた修行「虚空蔵求聞持法」との深い関わりがあります。厳しい修行の中で得られた悟りと、そのときに見えた自然の風景から「空海」と名乗られました。真言宗を開き、仏教のみならず教育・文化・社会事業などにも多くの功績を残された空海さまは、今も高野山で修行を続けておられると信じられています。

 

●茨城県にある村松虚空蔵尊は、空海さまによって創建されたと伝わる由緒あるお寺です。本尊の虚空蔵菩薩は知恵と福徳の仏さまとして信仰され、「十三詣り」の名所としても広く知られています。厄除けや方位除け、学業成就などの祈願も行なっており、予約不要で護摩祈願にも参加いただけます。

 

茨城県の村松虚空蔵尊は平安時代に空海(弘法大師)によって創建された寺院です。

 

茨城では「村松の虚空蔵さん」と呼ばれて親しまれ、厄除けをはじめ、安産祈願やお宮参り、七五三、十三詣りなどさまざまな護摩祈願を行なっています。

 

ぜひご来山ください。