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お寺のお賽銭の作法とは?金額の意味や参拝マナーもご紹介

2025年07月07日

お寺のお賽銭の作法とは?金額の意味や参拝マナーもご紹介

こんにちは!茨城県の村松虚空蔵尊です。

 

お正月の初詣や願い事をしたいとき、自然とお賽銭(さいせん)を入れて手を合わせる方も多いのではないでしょうか。

 

けれど、「お寺でお賽銭をするときの作法って?」「金額に決まりはあるの?」と迷った経験がある方もいらっしゃるかもしれません。

 

今回は、お寺のお賽銭の意味や金額に込められた思い、参拝の作法についてわかりやすくご紹介します。

心を込めて仏様に手を合わせたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。

 

 

お寺のお賽銭の意味や歴史は?

お賽銭とは、仏様への感謝や願いごとの気持ちを込めて奉納するお金のことです。

 

もともとは、仏様への供物(くもつ)として米や布などの物品を捧げていましたが、時代の流れとともに貨幣経済が発達し、次第に持ち運びやすい金銭をお供えする形が主流になりました。

 

「賽」という字には「恩に報いる」「感謝してまつる」という意味があり、神仏からの加護や日々の暮らしに対しての感謝の心が込められています。

 

仏教では、特にお寺でのお賽銭は「浄財(じょうざい)」とも呼ばれます。

これは、私利私欲を捨てて清らかな気持ちで捧げるお金という意味で、「祈りの心を形にしたもの」ともいえるでしょう。

 

現在のように賽銭箱が設置されるようになった正確な時期については諸説ありますが、時代の流れとともに、各地で普及していったと考えられています。

中でも、1540年に鶴岡八幡宮に「散銭櫃(さんせんびつ)」という箱が置かれた記録は、日本最古の賽銭箱の例として知られています。

 

 

お寺のお賽銭に作法はある?金額に込められた意味

お賽銭

お賽銭には、「多ければ多いほど良い」という考え方はありません。

また、決められた金額というものも存在しません。

 

大切なのは、仏様への感謝の気持ちを込めてお納めすることです。

 

「高額なお賽銭のほうがご利益がある」と思われる方もいますが、お賽銭は願いを叶えてもらうための対価ではなく、あくまでも日々の感謝を表すもの。

そのため、高額なお賽銭を納める必要はありません。

 

無理のない範囲で、心を込めてお納めいただくのが何よりも大切です。

 

お賽銭でよく使われる金額の意味

お賽銭には、金額にちなんだ語呂合わせで縁起を担ぐ習慣もあります。

よく使われている例にはこんなものがありますよ。

 

・5円:「ご縁がありますように」
・15円:「十分なご縁」
・25円:「二重にご縁」
・115円:「いいご縁」
・485円:「四方八方からご縁」
・2951円:「福来い」
・4129円:「よい福」

 

特に5円玉・50円玉硬貨は「見通しが良い」「運が通る」として好まれます。

 

一方、縁起が良くないとされる語呂もあり、以下の金額は避ける方もいます。

 

・65円:「ろくなご縁がない」
・75円:「なんのご縁もない」
・95円:「苦しいご縁」
・105円:「当分ご縁がない」

 

ただし、これらの語呂合わせはあくまでも迷信の一つです。

あまりこだわり過ぎる必要はなく、どのような金額でも心を込めてお納めいただければ問題ありません。

 

お賽銭の作法

お寺でお賽銭を納めるときには、静かに丁寧に行うことが大切です。

投げ入れるように音を立てて入れるのではなく、手を添えて「そっと納める」ようにしましょう。

 

神社では「二礼二拍手一礼」といった作法がありますが、お寺では拍手を打ちません。

その代わり、手を合わせて合掌し、静かに祈りを捧げるのが基本です。

 

お寺は仏様に向き合う場所であり、礼儀や所作もより静かで丁寧なものが求められます。

周囲の参拝者の方々にも配慮しながら、落ち着いた気持ちでお参りしましょう。

 

お寺の参拝方法もおさらい

お寺での参拝は、仏様への敬意と感謝をもって丁寧に行うことが大切です。

基本的な参拝方法について、改めて確認しておきましょう。

 

①山門の前で一礼

山門はお寺の入口であり、境内に入る前の大切な区切りとなります。

通る前に軽く一礼し、敷居を踏まないよう注意しましょう。

参道の中央は仏様の通り道とされているため、真ん中ではなく左右どちらかの端を歩くのがマナーです。

 

②手水舎(ちょうずや)で身を清める

柄杓で水をすくい、左手、右手、口の順にすすぎます。

最後に柄杓を立てて、持ち手の部分も清めてから元の位置に戻しましょう。

香閣(こうかく)がある場合、線香の煙を浴び、体も清めます。

 

③本堂の前に来たら、お賽銭をそっと納める

音を立てずに手を添えて納めるようにし、投げ入れるのは避けましょう。

銅鑼(どら)のような仏具がある場合は静かに一度鳴らします。

 

④合掌して祈る

心を落ち着けて手を合わせ、願いごとや日々の感謝を伝えます。

祈り終えたら、静かに一礼し本堂を離れます。

 

お寺には、人生の節目や年中行事など、さまざまな目的で訪れることがあります。

お寺はどんな時に行くもの?主な目的や訪れて良いタイミングをご紹介」では、お寺を訪れる機会やお寺の持つ役割について解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

 

 

まとめ

●お賽銭は、仏様への感謝や祈りを込めて捧げる大切なお供えです。もともとは米や布などの物品が用いられていましたが、時代とともに金銭が一般化しました。お賽銭は「浄財」とも呼ばれ、心を清らかにして納める行為自体が祈りの形とされています。

 

●お賽銭に決まった金額はありません。大切なのは、金額の大小ではなく仏様への感謝の気持ちです。無理のない範囲で、心を込めてお納めすることが何よりも尊いとされています。また、語呂合わせで金額を選ぶ方もいますが、あくまで俗信に過ぎません。作法としては、お賽銭は音を立てず静かに納め、拍手ではなく合掌で祈るのが基本です。

 

●お寺の参拝では、山門をくぐる前に一礼し、参道は端を歩くなど、所作に込められた意味を理解しながら進みます。手水舎での清め方や本堂でのお賽銭の納め方にも礼儀があり、拍手を打たずに合掌して祈るのが仏教の作法です。神社と異なるマナーを守りながら、静かで丁寧な気持ちで仏様と向き合うことが大切です。

 

茨城県の村松虚空蔵尊は平安時代に空海(弘法大師)によって創建された寺院です。

 

茨城では「村松の虚空蔵さん」と呼ばれて親しまれ、厄除け・厄払いをはじめ、安産祈願やお宮参り、七五三、十三詣りなどさまざまな護摩祈願を行なっています。

 

ぜひご来山ください。