村松虚空蔵尊だより
2020年01月09日
こんにちは!茨城県の村松山虚空蔵堂です。
毎年2月3日に行われる節分。鬼は外!福は内!と豆をまき厄払いをしますよね。
豆まき用の豆についているお面には、鬼とおかめのセットを見かけます。
鬼はわかるけど、「そういえばおかめにはどんな意味があるんだろう?」と思った方も多いのでは?
今回は節分の「おかめ」について詳しくご紹介します。
おかめとは、古くからある日本のお面の1つで、丸顔、鼻が低く丸い、頬が丸く張り出しているといった特徴があります。
お亀、阿亀(おかめ)とも書き、お多福、阿多福(おたふく)、お福とも言います。
おかめのモデルは実在の女性で、次のエピソードが残っています。
鎌倉時代、大報恩寺の本堂建築の際に、棟梁である長井飛騨守高次(ながいひだのかみたかつぐ)は、大事な柱の寸法を間違えて短く切ってしまいます。
憔悴しきった高次の姿を見た妻の阿亀は、枡組(ますぐみ)という技法で柱を継ぎ足すように助言し、高次は無事に本堂を完成させます。
しかし、女の知恵で仕事が成功したと知られては夫の恥になると思い、阿亀は本堂の上棟式の前に自害してしまいます。
高次は、上棟式で妻の冥福と工事の無事を祈り、本堂が永久に守られることを願って阿亀にちなんだ福の面を扇御幣(おうぎごへい)につけて飾りました。
おかめのふくよかな笑顔には、妻への愛情が隠されていたんですね。
そもそも節分とは、季節の節目(立春、立夏、立秋、立冬)の前日を指します。
旧暦では春からが新年とされており、特に立春の前日は大晦日にあたる大事な日なので、節分の中でもこの日が重要視されるようになりました。
また、季節の変わり目には邪気が生じると考えられていたため、様々な邪気を祓う行事がありました。その一つが豆まきです。
節分の豆をまくときの掛け声で「鬼は外!」「福は内!」と言いますよね。
おかめはこの「福」を表しています。
おかめは別名「お多福」や「お福」と呼ばれ、縁起が良い顔とされているため、節分の「福」として使われているんですよ。
節分のおかめと鬼の関係ですが、前述のおかめのモデルとは別に狂言が由来となっています。
打出の小槌を持って暴れまわる鬼に対して人々が豆で追い払うものの、豆がなくなると鬼が再び暴れだし、手に負えなくなります。その時に現れたのがおかめでした。
おかめは愛嬌を振りまき、鬼の怒りを鎮め、優しく諭して改心させるのです。
自分の行いを反省した鬼たちは打出の小槌をおかめに差し出し、舞を披露して去っていきます。
こうして人々は安心して生活できるようになりました。
おかめは節分でとても重要な役割を果たしていたんですね。
・「おかめ」とは、日本の昔から存在するお面のことで、丸顔、鼻が低く丸い、頬が丸く張り出しているといった特徴があります。
・節分でのおかめは呼び込む「福」を表しています。これはおかめが別名「お多福」や「お福」と呼ばれ、縁起が良い顔とされているため、節分の「福」として使われるようになりました。
・おかめと鬼の関係は、狂言の物語に由来します。悪さをする鬼に対して人々は豆で追い払うものの、手に負えなくなります。その時おかめが現れ笑顔と優しさで諭し、鬼が改心するという話です。このように、節分でのおかめの存在はとても重要なのです。
茨城県の村松山虚空蔵堂は平安時代に空海(弘法大師)によって創建された寺院です。
茨城では「村松の虚空蔵さん」と呼ばれて親しまれ、毎年2月3日には節分会追儺式(せつぶんえついなしき)を行っています。
年男・年女として豆をまきたい方へ、事前に申し込みを受け付けています。
境内での参加は自由ですので、ぜひお越しくださいね。