村松虚空蔵尊だより
2024年07月11日
こんにちは!茨城県の村松虚空蔵尊です。
初詣や七五三、厄払いなど、お寺や神社へ参拝する機会は多くあります。
その際、「手水舎(ちょうずや)」と呼ばれる水場での手の清め方がわからず、いつも戸惑ってしまう、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、手水舎で手を清める理由や、手水の方法など、お寺や神社へ参拝する際に知っておきたい作法やマナーをご紹介します。
正しい方法を知っていれば、心穏やかに参拝することができますよ。
ぜひこの機会に、参拝の作法やマナーを改めて確認しておきましょう。
お寺や神社で、参拝前に手や口を清める水、もしくはその行為のことを「手水(ちょうず)」といいます。
「手水舎(ちょうずや)」とは手水を行う建物のことを意味します。
お寺や神社は仏様や神様がまつられている神聖な場所です。
そのため、参拝の際には、身も心も清らかであることが求められます。
古来、水には穢れを祓う力があるとされており、昔の人々は神聖な場所を訪れる際には、周辺の川で身を清めていました。
これを「禊(みそぎ)」といいます。
この川で身と心を清める禊が、時代とともに手や口を清める「手水」へと変化しました。
そのため、手水はただ手や口の汚れを落とすためだけに行われるものではありません。
仏様や神様に失礼のない参拝をするためには、欠かせない儀礼の一つです。
急いでいると、つい省略してしまいがちな手水ですが、その意味をしっかり理解し、身と心を清めましょう。
手水舎での手水の正しいやり方を確認しましょう。
正しいやり方を知っていれば、安心して穏やかな心で参拝できますよ。
手水舎に到着したら、まず心を落ち着けて、まっすぐに立ちましょう。
そして、軽くお辞儀します。
そのあと、右手で柄杓を持ち、水を汲みましょう。
柄杓で汲んだ水で、左手を清めます。
使う水の量は柄杓の3割程度が目安です。
柄杓を持ち替え、次は右手を清めます。
使う水の量は、先ほどと同様に柄杓の3割程度が目安です。
柄杓を持ち替えるときに水をこぼさないように気をつけましょう。
再び柄杓を右手に持ち、左の手のひらに水を注ぎます。
左手の水を口に運び、口をすすぎ、口内を清めます。
このとき、柄杓に1割程度の水を残しておきましょう。
左手で口元を隠しながら行うと、見た目がスマートですよ。
手と口を清めたら、最後は使った柄杓を清めます。
柄杓を両手で立てるように持ち、残っていた水を持ち手部分に流します。
なるべくゆっくりと、水しぶきを立てないようにしましょう。
清め終わったら、元の場所へ戻し、軽くお辞儀をして立ち去ります。
手水について、よくある質問や知っておきたい注意点も参考にご紹介します。
お寺や神社によっては手水舎がないこともあります。
あらかじめ、手水舎がないことがわかっている場合は、手水用にペットボトルや水筒を持参していくことをおすすめします。
持参した水を使い、先ほどご紹介した方法で手水を行いましょう。
使用する水は飲みかけのものは避け、未開封のペットボトルや手水用に用意した水を使ってくださいね。
どちらもない場合は、ウェットティッシュやおしぼりで手を拭くのでも構いません。
手水の本来の目的は心身を清めること。
そこを意識していれば大丈夫です。
口内を清めるときは、柄杓には直接口をつけないのがマナーです。
手に水を注ぎ、口を清めます。
柄杓はほかの人も使うものなので、衛生面からも直接口はつけないようにしましょう。
また、口に含んだ水を吐き出す場所にも注意が必要です。
吐き出すのは、手水舎の周りの排水溝や水盤の外側。
手水舎の中に吐き出すことのないようにしましょう。
手水を終えたあとは、髪や顔など余計な場所を触らないようにしましょう。
せっかく清めた手が、また汚れてしまいます。
手水のあとトイレに行った場合は、参拝の前にもう一度、手水舎で手を清めましょう。
手水のあとは拭かずに自然に乾くまで待つのが良いとする人もいますが、衛生面や濡れた手でお寺や神社のものを触って汚す可能性を考えると、ハンカチで拭くほうが良いといえます。
お寺や神社ではっきりと「ハンカチNG」とされていなければ、ハンカチで手を拭くことをおすすめします。
手水を行い、身も心も清められれば、次は参拝です。
お寺と神社では、参拝の方法が異なることをご存じですか?
それぞれの作法を確認しておくと、安心ですよ。
ここでは、お寺と神社の一般的な参拝方法をご紹介します。
まず、山門(さんもん)と呼ばれる門をくぐってお寺の敷地に入ります。
山門の前では、軽く一礼し、敷居は踏まずにまたいで通ります。
参道の中心は通らず、左右の端を歩き、手水舎まで進みましょう。
手水舎で手と口を清めます。
香閣(常香炉)があればお線香を供え、煙を受けて心身を清めましょう。
本堂へ着いたら、用意したお賽銭を入れます。
仏様へのお参りなので、投げ入れるのではなく、優しくそっと賽銭箱へ入れましょう。
鰐口(わにぐち:銅鑼のような鳴らす仏具)がある場合は静かに1度鳴らし、合掌しながら心の中で仏様へ感謝と祈願の言葉を述べ、一礼をして参拝完了です。
神社に入る際は鳥居をくぐります。
お寺の場合と同様に、門を通る前に軽く一礼し、参道の端を歩いてください。
手水舎まで進み、手と口を清めます。
本殿の前に来たら鈴を鳴らし、お寺の場合と同様に賽銭箱にそっとお賽銭を入れます。
神社にもよりますが、一般的な神社の参拝方法は「二礼二拍手一礼」。
神様への敬意を込めて深いお辞儀を2回した後、胸の前で2回柏手を打ち、心の中で神様にご挨拶をします。
最後に、もう一度お礼の気持ちを込めてお辞儀すれば、参拝完了です。
「初詣のお賽銭はいくら入れるのが良い?お賽銭の意味や参拝方法も確認」では、特に初詣の参拝方法について詳しくご紹介しています。
ぜひ、あわせてご覧ください。
●手水とは、お寺や神社へ参拝する前に手や口を清める水、もしくはその行為のことで、手水舎は手水を行う建物のことです。仏様や神様と向き合う神聖な行事である参拝の前には、身も心も清らかであることが求められます。昔は、周辺の川で身を清める禊を行っていましたが、時代とともに手と口を清める手水へと変化しました。
●手水はまず、右手に柄杓を持ち、水を注ぎ、左手を清めます。その後、柄杓を左手に持ち替え右手を清め、再度右手に持ち左手で口内を清めます。最後は柄杓に残った水を持ち手部分に流し、柄杓を清めて終わりです。
●お寺や神社によっては手水舎がない場合もあります。その場合は未開封のペットボトルや手水用に用意した水などを使って手や口を清めましょう。水がない場合は、ウェットティッシュやおしぼりで手を拭いても構いません。また、口内を清める際は柄杓に直接口をつけないことや、水を吐き出す場所にも注意が必要です。
●お寺も神社も参拝では、敷地に入る前に一礼し、参道の端を歩きます。その後、手水舎で手を清め、お寺の場合は本堂、神社の場合は本殿の前でお賽銭を入れてから参拝します。お寺では胸の前で合掌して心の中で仏様に願いごとをし、神社では二礼二拍手一礼を行うのが基本です。
茨城県の村松虚空蔵尊は、平安時代に空海(弘法大師)によって創建された寺院です。
茨城では「村松の虚空蔵さん」と呼ばれて親しまれ、初詣をはじめ、十三詣りや七五三、お宮参り、節分追儺式など様々な年中行事で護摩祈祷を行なっています。
ぜひご来山ください。