村松虚空蔵尊だより
2019年08月05日
こんにちは!茨城県の村松山虚空蔵堂です。
年越しの定番といえば除夜の鐘。
除夜の鐘の音を聞きながら今年の出来事を振り返り、「あぁ今年も良い一年だったなぁ」と年の瀬を感じますよね。
今回はそんな除夜の鐘についてのお話。
除夜の鐘の意味や歴史、108回という回数の由来や鐘をつく際のマナーなどについてご紹介します。
除夜の鐘とは、大晦日の夜に深夜0時を挟んでつく、お寺にある大きな鐘の音のことです。
お寺の境内に大きな鐘があるのを見たことがある方も多いでしょう。
この鐘は正式名称を「梵鐘(ぼんしょう)」という仏教の仏具で、梵鐘の音には苦しみや悩みを断ち切る力があると言われています。
仏教ではもともと、正月とお盆の年2回ご先祖様を祀る儀式がありました。
それが時代と共にお盆はご先祖様のお参り、お正月は年神様のお参りという形に変化し、大晦日に除夜の鐘をつく儀式が風習として受け継がれていると言われています。
「除夜」とは大晦日の夜を指す言葉でもあります。
梵鐘自体は、普段から朝夕の時報や法要の開始の合図として鳴らしています。
通常は修行を積んだ僧侶が鳴らすものなのですが、大晦日の除夜の鐘には一般の方にとっても「苦しみや煩悩を断ち切る」「ご利益を受けることができる」と言われているため、年末の儀式として広まったと考えられます。
除夜の鐘をつく回数「108回」は有名ですが、その理由にはいくつかの説があります。
一番有名な説は、人間の108個の煩悩を払うためという説です。
怒りや苦しみ、欲望などを取り払い、新しい気持ちで新年を迎えるというものです。
月の数(12)と、1年を24の季節に分ける二十四節気(にじゅうしせっき)の24、1年を72の季節に分ける七十二候(しちじゅうにこう)の72を足した108という説もあります。
もともと四苦八苦とは仏教用語で「避けることのできない苦しみ」という意味があります。
四苦(4×9)+八苦(8×9)で36+72=108となり、四苦八苦を取り払うために除夜の鐘をつくという説もあります。
いずれにしても除夜の鐘をつく理由は、今年一年の苦しみや悩みを取り去り、新しい晴れやかな気持ちで新年を迎えるという意味に変わりはありません。
除夜の鐘は大晦日の深夜からつきはじめ、年内に107回、年が明けたタイミングで最後の1回をつくのが一般的です。
ただし回数やタイミングはお寺によって様々で、もっとたくさんの数をつく場合もあれば、年内に全てつき終えてしまう場合もあるようです。
参拝客に除夜の鐘をつかせてくれるお寺もあります。
(村松山虚空蔵堂でも、参拝客も除夜の鐘をつくことができます。大晦日の夜に先着順で整理券が配布されます。)
除夜の鐘を突く時には、鐘の前で合掌をして心を落ち着かせ、優しく鐘をつきましょう。
澄んだ美しい鐘の音色は、今年一年の悩みや苦しみを取り去り、新しい年への希望と活力を与えてくれるでしょう。
・除夜の鐘とは、大晦日の夜に深夜0時を挟んでつくお寺の大きな鐘の音のことです。この鐘は「梵鐘(ぼんしょう)」という仏具で、鐘の音には人間の悩みや苦しみを断ち切る力があると言われています。
・除夜の鐘を鳴らす108回という回数には諸説があり、人間の煩悩の数という説、1年を表す数、四苦八苦(苦しみ)を表す数という説、いずれも除夜の鐘を鳴らすことで今年1年の苦しみや悩みを取り去るという意味があります。
・除夜の鐘は大晦日の深夜からつきはじめて年内に107回をつき、1月1日の午前0時を回ったタイミングで最後の1回をつくのが一般的です。ただしお寺によってはもっとたくさんの回数をついたり、年内に全てつき終わったりと様々です。参拝者に除夜の鐘をつかせてくれるお寺もあります。鐘の前で合掌して心を落ち着けてから優しく鐘を鳴らしましょう。
村松山虚空蔵堂は平安時代に空海(弘法大師)によって創建された寺院です。
茨城では「村松の虚空蔵さん」と呼ばれて親しまれ、十三詣りをはじめ初詣や七五三など様々な年中行事で護摩祈祷を行っています。