村松虚空蔵尊だより
2022年04月04日
こんにちは!茨城県の村松山虚空蔵堂です。
縁起物として人気の高いだるま。
願いごとを叶える手助けにと飾る方も多いかと思いますが、実はだるまは商売繁盛にもご利益があるとされています。
今回はそんな縁起物、だるまについて、意味や由来、飾る際のポイントなどについてご紹介します!
コロコロと可愛い形をしているだるまの、意味や由来、歴史などについてご紹介します。
まずは、だるまのモデルとなった達磨大師についてご紹介します。
達磨はインドの王子として生まれ、国内で仏教を広めた人物。
その後、中国に渡り壁に向かって9年間座禅を組む修行を続けた結果、手足が腐ってしまったという伝説が残っています。
これがだるまには手足がない理由であり、「面壁九年」といって1つのものごとに忍耐強く取り組み成し遂げる、という意味の言葉も誕生しました。
達磨の死後、大師の号を授かり達磨大師と呼ばれるようになり、その教えは鎌倉時代に仏教禅宗として日本に伝わります。
達磨大師の姿にちなんだ手足のない人形や置物が作られるようになり、それがだるまの始まりといわれています。
日本でのだるまの源流は、室町時代に伝わった底が丸く斜めに倒れても勝手に起き上がる「起き上がりこぼし(起き上がり小法師)」から始まります。
江戸時代になると、起き上がりこぼしに不撓不屈(ふとうふくつ)の思いを込めて、手足のない達磨大師の座禅姿を写したとされています。
赤いだるまが多いのは、達磨大師のような高位の僧が赤い法衣を身に着けていたからとされますが、赤には「魔よけ」の意味も含まれているようです。
当時の江戸では痘そう(天然痘)が流行っていました。
痘そうは感染力や致死率が高く、命が助かっても視力が低下する、または失明することから大変恐れられていました。
そこで、目がないだるまが販売され、各人がだるまに目を入れることで痘そうよけの縁起物となりました。
現在では願いごとを叶える助けをしてくれる縁起物として人気の高いだるま。
ご利益があるといわれる願いごともさまざまあります。
例えば、開業祝いに商売繁盛を願ってプレゼントする場合があります。
そういった場合には、だるまに「商売繁盛」や「千客万来」といった言葉が記載されていることも。
その他、家内安全や合格祈願、恋愛成就などに効果的な縁起物として選ばれることもあります。
また、だるまは生産地によって姿形に違いがあります。
最も全国で生産数が高いのが「高崎だるま」で、多くの人がイメージする最もオーソドックスな形のだるまです。
その他にも太い眉毛に胴体の前半分が青、後ろが赤の「松川だるま」、養蚕にちなんだシルクの白色の「甲州だるま」、女性の形をした「姫だるま」などがあります。
産地によっては色の違いもありますが、「黒色のだるま=商売繁盛」のように色によっても意味やご利益が異なります。
だるまの色ごとの意味については次で詳しくご紹介します。
だるまには、よく見る赤色だけでなくさまざまな色があり、色によって意味が異なります。
色ごとにどのような意味が込められているのか、確認してみましょう。
「黒字を招く」ということから、商売繁盛の意味があるといわれる黒いだるま。
力強い色でもあり、商売を推進するための活力にもなるでしょう。
出世の縁起物として扱われることもありますよ。
商売繁盛の縁起物には、だるま以外にも招き猫や熊手などがあります。
「商売繁盛におすすめの縁起物のご紹介。会社の業績もUP!?」でも詳しくご紹介しておりますので、参考にしてみてくださいね。
昔から人々に愛されてきた赤色のだるまは、魔除けの効果があると期待されています。
また、家族の病気や災難を防ぐ縁起物として、家内安全の意味も込められています。
白いだるまも赤と同じく古くから製造されており、目標達成の効果が期待されます。
合格祈願のお守りにされることも多い色です。
黄色は作物の実りを表すことから五穀豊穣の意味があります。
豊かな作物から発展して金運上昇の意味も。
また、似た色の「金色」のだるまも金運向上の縁起物とされています。
「桃色」のだるまは、恋愛や結婚運が向上するといわれています。
かわいらしい色なので、インテリアのアクセントとしても活躍しそうですね。
いつまでも元気でいられるように「健康」の願いが込められています。
大切な人やご家族に贈るのもいいでしょう。
似たような願いとして、「紫色」のだるまは健康長寿のための色です。
だるまをプレゼントする際には、シチュエーション・願いによってだるまの色を意識してみるのもいいかもしれませんね。
江戸時代に流行った痘そう(天然痘)により始まった目入れの風習ですが、現在では願いごとをする際に「左目」、願いが叶ったときに「右目」を入れるのが一般的です。
だるまの目は阿吽(あうん)を表しているといわれています。
・左目:阿は物事の始まり
・右目:吽は物事の終わり
目は白目が残るように黒目を入れるのがポイント。
目入れのタイミングは、1年の始まりのお正月や何かを達成したいと目標を定めたときです。
特に日にちの決まりはありませんが、旧暦の大安に目入れするのも良いですね。
また、健康祈願を願うだるまなど、最初から両目が入っている場合もありますよ。
だるまを飾る場合は神棚や家の中の高いところがおすすめです。
現代では神棚がない家も多くあるため、だるまを飾る場所に特別な決まりはありません。
そのため、魔よけとして玄関に置いたり、願掛けのために身近に置いたりしても大丈夫ですよ。
できるだけ清潔なところに置いて、ゴミ箱やほこりが溜まりやすい場所は避けるようにしてくださいね。
また、だるまの向きを気にする場合は、南から東の向きにだるまの顔が向くように置くと良いとされています。
●だるまのモデルはインド生まれの達磨大師とされています。日本では江戸時代にだるまの原型が完成し、痘そう(天然痘)の魔よけとして赤色だるまや目入れの風習が始まりました。願いを叶える縁起物としてだけではなく、商売繁盛の意味もあるなど、だるまに期待されるご利益はさまざまです。
●だるまの効果は色によって異なります。黒色は商売繁盛、赤色は魔よけ・家内安全、白色は目標達成、黄色は豊穣や金運上昇などです。
●目入れは阿吽に基づいて、物事を始める際に左目を、願いが叶った際に右目を入れます。健康祈願など始めから両目が入っているだるまもあります。
●だるまを飾るときは、神棚や家の中の高いところに置くのがおすすめです。特に設置場所に決まりはありませんが、できるだけ清潔なところに置くようにしてくださいね。
茨城県の村松山虚空蔵堂は平安時代に空海(弘法大師)によって創建された寺院です。
茨城では「村松の虚空蔵さん」と呼ばれて親しまれ、十三詣りをはじめお宮参りや七五三、節分追儺式など様々な年中行事を行っています。
また、村松山虚空蔵堂の虚空蔵菩薩は、日本では古くから商売繁昌のご利益があると信仰されてきました。
商売繁昌護摩祈願を通年行なっておりますので、ご都合の良い日にいつでもお越しくださいね。