村松虚空蔵尊だより
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2020年09月28日
こんにちは!茨城県の村松山虚空蔵堂です。
新型コロナウイルスが猛威をふるう2020年に、SNSを中心に話題となった妖怪アマビエ。
みなさんは、このアマビエより前に出現したと言われている『姫魚(ひめうお)』をご存じですか?
アマビエと同様に疫病除けのご利益があるとされますが、その姿かたちや祀(まつ)り方を知らない方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな姫魚について、詳しくご紹介します。
姫魚とは江戸時代から伝わる日本の妖怪で、二本の角を持つ女の顔に魚体が結びついた姿をしています。
この姿を写した絵には、疫病除けのご利益があると言われています。
姫魚やアマビエは、豊作や疫病の流行など未来の出来事を予言し、厄除けの方法を伝える『予言獣』という妖怪の一種。
予言獣は江戸時代後期から刷り物や錦絵(浮世絵の一種)に描かれ、庶民の間で主に疫病除けの目的で求められました。
人面魚のような奇抜な姿をしている姫魚。
なぜ疫病除けのご利益があると言われているのか?次で詳しくご紹介します。
姫魚に疫病除けのご利益があると言われる理由に、次のような記録が残されています。
「文政2年(1819年)、肥前国(長崎県)の平戸の浜に姫魚が現れ、『私は龍神の使いである。今から7年の間にコロリという病が流行り多くの人が死ぬ。しかし私の絵を家に貼ればその病から逃れ、子孫繁栄する。今私が姿を現したのは、このことを告げるためである』と言うやいなや、海中に消えていった。」
このことから、姫魚の姿を描くことで疫病除けのご利益があると言われています。
昔は疫病がウイルスや細菌由来だとわからず、神仏に終息を祈るしかありませんでした。
そのため、姫魚やアマビエといった予言獣を描いた絵を飾り、不安な気持ちを払拭しようとしたのです。
現代においては、新型コロナウイルスに対する様々な対策が講じられていますが、未だ完全な終息の目処がない状態です。
終わりが見えない世の中を生き抜く不安は、昔も今も変わりません。
姫魚のような存在が、心の平穏を保つ大事な役割を担っていたんですね。
姫魚以外にも、疫病除けのご利益があると言われている妖怪や神様がいます。
女性の顔に竜の体、剣の尾を持つ『神社姫(じんじゃひめ)』、黒髪の女性の顔に2本の角、大きな亀の甲羅を背負い腰蓑のような尾を生やした『豊年亀(ほうねんがめ)』。
この2つの妖怪は、姫魚と同じ予言獣です。見た目も共通する部分がありますね。
また、疫病除けのご利益があるとされる「鍾馗(しょうき)様」という神様もいます。
鍾馗様については「鍾馗(しょうき)様とは?鍾馗様の伝説や飾り方をご紹介!」でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧くださいね。
虚空蔵堂の裏手にも鐘馗霊神堂があり、お堂の中には鐘馗霊神の絵馬が祀られています。
延宝三年(1675)に伝染病が大流行したとき、鐘馗霊神の絵を奉納したところ大流行が治まったと伝えられ、今も多くの人が参拝しています。
●姫魚とは江戸時代から伝わる日本の妖怪で、二本の角をもつ女の顔に魚体が結びついた姿をしています。
この姿を写した絵には、疫病除けのご利益があると言われています。
●姫魚は、文政2年(1819年)に肥前国(長崎県)の平戸の浜に現れ、「私は龍神の使いである。今から7年の間にコロリという病が流行り多くの人が死ぬ。しかし私の絵を家に貼ればその病から逃れ、子孫繁栄する。今私が姿を現したのは、このことを告げるためである」と言うやいなや、海中に消えていった、との伝説が残っています。
●姫魚以外にも、女性の顔に竜の体、剣の尾を持つ「神社姫(じんじゃひめ)」、黒髪の女性の顔に2本の角、大きな亀の甲羅を背負い腰蓑のような尾を生やした「豊年亀(ほうねんがめ)」という妖怪、「鍾馗(しょうき)様」という神様などがおり、厄病除けのご利益があるとされています。
茨城県の村松山虚空蔵堂は、平安時代に空海(弘法大師)によって創建された寺院です。
当山本堂の裏手には鐘馗霊神堂があり、お堂の中には鐘馗霊神の絵馬が祀られています。
延宝三年(1675)に伝染病が大流行した時、鐘馗霊神の絵を奉納したところ、大流行が治まったと伝えられ、今も多くの人が参拝しています。