村松虚空蔵尊だより
2025年11月11日

こんにちは!茨城県の村松虚空蔵尊です。
七五三は、子どもの健やかな成長に感謝し、これからの幸せを祈る大切な行事です。
3歳・5歳・7歳という節目に行うのが一般的ですが、「全部やるべきなのか」「1度だけでも良いのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は、七五三の年齢ごとの意味や由来、決まった年齢全て行う場合と1度だけの場合の違い、さらに数え年と満年齢の考え方など、よくある疑問をわかりやすく解説します。
参拝の時期や流れについても紹介しますので、ご家族に合った形で七五三を迎えるための参考になさってください。
七五三とは、子どもの成長を祝う日本の伝統行事です。
平安から室町時代の貴族の行事を起源とし、江戸時代に武士、そして庶民へ広がりました。
かつては子どもの死亡率が高く、無事に節目を迎えること自体が大きな喜びでした。
七五三は「髪置(かみおき)」「袴着(はかまぎ)」「帯解(おびとき)」という3つの儀式に由来し、それぞれに子どもの成長を見守る親の祈りが込められてきました。
以下、3つの儀式についてご紹介します。
平安時代の子どもは、赤ちゃんから3歳まで病気を避けるために髪を短く剃るのが一般的でした。
3歳の春ごろに行う髪を伸ばし始める儀式が「髪置の儀」になります。
5歳になると、男の子は初めて正装である袴を身につけました。これをもって少年への仲間入りをします。この儀式が「袴着の儀」です。
かつては男女ともに行っていましたが、江戸時代からは男の子だけの儀式になりました。
7歳の女の子は、着物を着る際に使っていたそれまでの紐をやめ、大人と同じ帯を結ぶようになります。この儀式が「帯解の儀」です。
少女から大人の女性へと成長する大切な通過儀礼とされてきました。
「七五三の意味や由来は?それぞれの年齢の意味も」でも七五三の年齢についてご紹介しています。
七五三を、決まった年齢全て行うべきかどうかは、多くのご家庭が迷うところです。
しかし大切なのは「子どもの健やかな成長を祈る気持ち」であり、回数の多さや形式が本質ではありません。
ここでは男女による違いや、決まった年齢全て行う場合と1回だけ行う場合のそれぞれの良さなどをご紹介します。
一般的に男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳でお祝いします。
これは、先ほどご紹介した「髪置」「袴着」「帯解」の儀式に由来します。
ただし、男の子の祝う年齢は地域によって違いがあります。関東地方では男の子は5歳のみ、関西地方では3歳と5歳の両方で祝うことが多いです。
七五三の地域による差については「七五三で地域による違いはある?特徴を地域別にご紹介」でもご紹介しています。
男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳でお祝いするとお伝えしましたが、七五三は2回とも全部お祝いしても、1回だけにしても問題はありません。
ご家庭の状況やお子さまの様子に合わせて選んで大丈夫です。
どちらの祝い方にもそれぞれの良さがあるのでご紹介します。
決まった年齢全て行う良さ
・節目ごとにお子さまの成長を仏様や神様に感謝できる
・祈りを重ねることで家族の思いが深まる
・伝統に沿った形でお祝いできる
1回だけ行う良さ
・準備や費用の負担を軽くできる
・お子さまの体調や性格に合わせて無理なく行える
・家族にとって意味のある時期を選べる
大切なのは、何回行ったかではなく、子どもの成長とこれからの幸せを願う気持ちです。
ご家庭にとって一番良いタイミングで参拝し、お子さまの幸せを祈ることが七五三本来の姿といえるでしょう。
七五三は、数え年でも満年齢でも行うことができます。
数え年は生まれた年を1歳とし、新年を迎えるごとに年齢を重ねる日本古来の数え方になります。
満年齢は誕生日ごとに年齢を重ねる現代の一般的な数え方です。
例えば3歳の七五三では、数え年だと体がまだ小さく着物を着るのが難しいこともあります。
その場合は満年齢で行うと安心です。
また、同じ学年の子どもに比べて「早生まれ」である1〜3月生まれのお子さんは、体力や気持ちに合わせて調整して問題ありません。
どの年齢であっても、お子さまの成長を仏様や神様に感謝し、健やかな未来を祈ることが大切です。

七五三を迎えるにあたり、ご家庭からよくいただくご質問をまとめました。
事前に知っておくことで、安心してお祝いに臨むことができます。
七五三の正式な日取りは11月15日ですが、その前後1〜2か月の都合のよい日に参拝しても差し支えありません。
多くのお寺や神社では年間を通じてご祈祷を受け付けていますので、混雑を避けたい場合や家族の予定に合わせたい場合は、時期を調整しましょう。
問題ありません。
近年は写真撮影の前撮りや後撮りと合わせて、七五三シーズン以外の夏や冬などに参拝されるご家庭も増えています。
繰り返しになりますが、大切なのは時期ではなく、子どもの成長に感謝し祈る気持ちです。
一緒に行っても構いません。
年齢が近い兄弟姉妹の場合、同じ日にご祈祷を受けることで家族の思い出を一度に残すことができます。
準備や費用の負担も軽減されるため、まとめてお祝いするご家庭も多く見られます。
兄弟姉妹でまとめて行う際の注意点などは「七五三で兄弟姉妹まとめて行うのは可能!メリットや衣装のポイント」も参考にしてください。
七五三の費用はどのくらいかかる?
衣装代や初穂料、食事代などを含めると10万円前後になることもあります。
ただ、ご祈祷のみであれば数千円からでも可能です。
無理のない範囲で行うことが一番大切です。
詳しくは「七五三にかかる費用の相場は?衣装代や食事代、お祝い金など」をご覧ください。
必ずではありませんが、ご祈祷を受けることで「お子さまの成長を仏さまや神さまに感謝し、これからの健やかさを祈る」という七五三本来の意味が深まります。
ご祈祷を受ける時間は、ご家族にとって忘れられない大切な節目となるでしょう。
まず受付でご祈祷の申し込みを行い、ご家族そろって本堂へお進みいただき、ご祈祷を受けます。お子さまの健やかな成長を祈願いたしましょう。
その後、境内で記念の写真を撮ったり、ご親族で会食をされたりするご家庭もあります。
流れに特に決まりはなく、ご家族の都合に合わせて進めていただけますので、安心してご参拝ください。
●七五三は、3歳・5歳・7歳という節目に行われる日本の伝統行事です。3歳は「髪置の儀」、5歳は「袴着の儀」、7歳は「帯解の儀」という成長の儀式に由来し、幼児から少しずつ大人へと近づく節目を表しています。現代でも「子どもの健やかな成長を感謝し、これからの幸せを祈る大切な行事」として受け継がれています。
●七五三を決まった年齢全て行うか、一度だけにするかに決まりはありません。一般的に男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳ですが、地域や家庭によって違いがあります。また、数え年でも満年齢でも行え、早生まれのお子さまも体力や成長に合わせて調整可能です。ご家庭にとって一番良いタイミングで参拝し、成長を祈願しましょう。
●七五三の正式な日取りは11月15日ですが、前後の都合の良い日に参拝しても問題はありません。年間を通して祈祷を受け付けているお寺や神社も多く、兄弟姉妹をまとめてお祝いするご家庭も増えています。費用は衣装や食事を含めると高額になることもありますが、ご祈祷のみであれば数千円から行える場合もあります。七五三の流れに決まりはありませんが、当日は受付を済ませ、ご祈祷を受け、その後に記念撮影や会食を行うのが一般的です。
茨城県の村松虚空蔵尊は平安時代に空海(弘法大師)によって創建された寺院です。
茨城では「村松の虚空蔵さん」と呼ばれて親しまれ、七五三をはじめ、十三詣りやお宮参り、節分追儺式など様々な年中行事で護摩祈願を行なっています。
ぜひご来山ください。