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七五三の被布とは?その意味や着こなし方を詳しくご紹介

2024年10月05日

七五三の被布とは?その意味や着こなし方を詳しくご紹介

こんにちは!茨城県の村松虚空蔵尊です。

 

毎年11月になると、華やかな袴や着物姿でお寺や神社を訪れる家族連れの姿を見かけますね。

七五三は、子どもの成長を祝う日本の伝統的な行事です。

 

「七五三の予定があるけれど、服装で悩んでいる」という方も多いのではないでしょうか?

 

そこで、今回は七五三の服装の中でも特に「被布」についてご紹介します。

被布の意味や、選び方、一緒に準備すべきアイテムなどについてわかりやすく解説します。

 

 

七五三の被布とは?

七五三の「被布(ひふ)」とは、主に3歳の子どもが着用する羽織りの一種です。

ベストのような形をしており、袖がなく、首元は四角く空いています。

 

もともと被布は大人が防寒着として着物の上から着用するものでしたが、時代の変化とともに次第に七五三でも着用されるようになりました。

 

被布を3歳で着用する理由とは

七五三において、3歳は「髪置きの儀」※を行う年齢。

髪置きでは、男児が産着に陣羽織、女児が産着に被布を着用する風習があります。

 

※髪置きの儀については後ほどご説明します

 

3歳という年齢はまだ「一人前」ではないとされ、帯なども身につけていません。

そこで、帯の代わりに「被布」を着用するのです。

 

昔からの風習ではありますが、被布は必ず着用しなくてはならないというわけではありません。

着物だけでも七五三を祝うことはできます。

 

しかし、被布は3歳の七五三でしか着用できないため、記念として被布を着せる家庭が多いです。

 

着物の上に羽織るだけなので、まだ小さい3歳の子どもでも動きやすく、長時間着ていても負担にならないことも被布が選ばれる理由の一つでしょう。

 

七五三の意味についても確認

七五三は、子どもの健やかな成長を祝い、これからの健康と幸せを祈る伝統的な儀礼です。

 

七五三の風習は平安時代に始まり、明治時代に広まったと考えられています。

当時は乳幼児の死亡率が高く、「7歳までは神のうち(神の子)」とされていました。

7歳まで無事に育ってからはじめて「一人前」として認められていたのです。

 

そのため、子どもが健康に7歳まで育つのは、とても喜ばしいことでした。

先ほども少し触れましたが、3歳、5歳、7歳には節目の歳として、次のような意味が込められています。

・3歳(男女) 髪置き(かみおき):髪を伸ばしはじめる儀式
・5歳(男の子)袴着(はかまぎ):はじめて袴を着る儀式
・7歳(女の子)帯解き(おびとき):はじめて大人と同じ帯を着ける儀式

 

古くから「数え3歳まで髪を短くしていると、美しい髪に恵まれる」と信じられており、3歳で髪を伸ばし始めることを祝うようになったのが髪置きの儀です。

この髪置きの儀は、平安時代から始まったといわれています。

 

七五三の由来については「七五三の意味や由来は?それぞれの年齢の意味も」でもご紹介していますので、ぜひ一読してみてくださいね。

 

 

七五三の被布の選び方や一緒に身につけるものもご紹介

七五三の被布を選ぶ際に、押さえておきたいポイントと準備しておくべきものもご紹介します。

 

被布の選び方のポイント

被布の選び方のポイントを事前に確認しておくと安心です。

 

デザインと色合いは着物との兼ね合いを見て選ぶ

被布のデザインは着物とのバランスを考えて選ぶことが大切です。

 

華やかな着物を着る場合は、被布はシンプルなデザインを、逆にシンプルな着物を選ぶ場合は、刺繍や模様の入った華やかなものを選ぶと良いでしょう。

 

色合いは、着物と同色系のものや、淡い色のものを選ぶのがおすすめです。

 

素材は重視するポイントによって選ぶ

3歳の子どもにとって、慣れない着物で長い時間過ごすことは、体への負担が大きくなりがちです。

被布には軽くて着心地の良い素材のものを選ぶと良いでしょう。

 

被布の素材は、正絹やポリエステルが一般的です。

 

正絹は高級感があり、しなやかな着心地が特徴です。

ポリエステルは手軽で汚れにくく、動きやすいというメリットがあります。

 

着心地を重視する場合は正絹、動きやすさを重視する場合はポリエステルがおすすめです。

 

着物とセットになったものもおすすめ

着物と被布がセットになった商品もあります。

 

あらかじめ色やデザインのバランスを考えてコーディネートされているため、被布選びに悩む必要がありません。

 

着物と被布のサイズが最適な組み合わせになるようにセットされているため、サイズ感のずれもなく、安心して選べるのが被布セットのメリットです。

 

被布と一緒に用意するもの

七五三の際に被布と一緒に身につけるものには、以下のアイテムがあります。

 

着物

3歳の七五三では「三つ身(みつみ)」と呼ばれるサイズの着物を用意します。

ピンクや赤色のものが人気です。

 

長襦袢(ながじゅばん)

長襦袢は着物の下に着用する肌着です。

肌に直接着物を着ると、汗や皮脂がシミやカビの原因になる可能性があるため、長襦袢を着ることをおすすめします。

 

半衿(はんえり)

長襦袢に縫い付ける衿のことです。

衿元を汚れから守り、顔回りを明るく華やかに演出する役割があります。

 

腰紐

長襦袢や着物を着付けるときに使う紐です。

使用する本数は体型などによって変わりますが、3本程度持っていると便利です。

 

草履・足袋

子どもの足に合ったサイズのものを選びましょう。

草履は着物や被布に合わせて華やかなものを選ぶと良いでしょう。

足袋は白が基本ですが、装飾が入ったものやカラフルな足袋もあるので、好みに合わせて選びましょう。

 

髪飾り

七五三のスタイルに華やかさを加える髪飾りは、被布や着物とセットで用意しておきたいアイテムです。

花やリボンなどの可愛らしい髪飾りが全体の雰囲気をさらに引き立てます。

 

バッグ

コーディネートを引き立てるのがバッグ。

着物の柄に合ったものを選ぶのがポイントです。

 

七五三で親の着物はどんなものを選ぶ?基本やおすすめは?」では、七五三のときの親の着物についてもご紹介しています。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

 

 

まとめ

●被布とは、3歳の七五三の際に着用する羽織の一種です。七五三にはそれぞれの年齢に意味があり、まだ帯をしめていない3歳のときに、被布を羽織ります。被布は必ず羽織るものではなく、なくても問題ありませんが、七五三では3歳のときにしか着ることができないため、被布を着用する家庭も多いです。

 

●被布を選ぶ際のポイントは、着物と合わせたデザインと色合いや、素材です。組み合わせに迷う場合は、被布と着物がセットになったものを利用するのがおすすめです。被布を準備する際には、着物や長襦袢、草履や足袋、髪飾りやバッグなども一緒に用意しましょう。

 

茨城県の村松虚空蔵尊は平安時代に空海(弘法大師)によって創建された寺院です。

 

茨城では「村松の虚空蔵さん」と呼ばれて親しまれ、七五三をはじめ、十三詣りや初詣など様々な年中行事で護摩祈祷を行なっています。

 

七五三のご祈祷も通年で受け付けておりますので、ぜひご参拝ください。