村松山 虚空蔵堂だより

トップ > 村松山 虚空蔵堂だより > 厄除け・厄払いの知識 > 「黄ぶな」伝説とは?無病息災を祈る縁起物として広まった理由

「黄ぶな」伝説とは?無病息災を祈る縁起物として広まった理由

2020年11月30日

「黄ぶな」伝説とは?無病息災を祈る縁起物として広まった理由

こんにちは!茨城県の村松山虚空蔵堂です。

 

人間が生活するうえで、天災や疫病にこれまでも幾度となく、世界中のあらゆるところで人々は悩まされてきました。

 

そんな天災や疫病に打ち勝つべく、日本には古くから伝わる厄除けの神様や妖怪がいるとされており、厄災が起きるたびにその事象に沿った神様や妖怪などに注目が集まっています。

 

近年ではアマビエが注目されたことで、よりその存在は身近になりましたよね。

日本には疫病を遠ざけるものは妖怪だけではなく、神様の使いを模したお守りやそれらを祀る祭事なども広く浸透しています。

 

今回はその中でも、栃木県宇都宮市を中心に広まっている「黄ぶな」についてご紹介します。

 

 

無病息災の効果を呼ぶ「黄ぶな」の伝説とは?

まず「黄ぶな」とは、その名の通り「黄色いふな」の郷土玩具として、栃木県宇都宮市で広く知られているものを指します。

 

黄色い体に赤い顔、緑の尾、アクセントに黒い背びれ・腹びれと、日本でも縁起の良い色合いが取り入れられ、愛らしい風貌の張り子の飾りがお土産としても有名です。

 

では、なぜ宇都宮で黄ぶなが浸透していったのでしょうか。

 

有力な説として、江戸時代に天然痘(てんねんとう)という疫病が宇都宮周辺でも流行った際の言い伝えがあります。

 

当時、地域の村人たちは神に祈りを捧げ、事態の収束を願います。

そのうち、とくに信心深い村人の一人が、現在の宇都宮市中心部の「田川」にて鯉のように大きな黄色いふなを釣りあげました。

 

そして、神から病人にそのふなを与えるようお告げがありました。

村人はお告げの通り病人にふなを食べさせると、みるみるうちに病状は治っていったというのです。

 

そのふなの魂の鎮魂や感謝の意味を込めて、村人たちは「黄ぶな」を祀るようになったといいます。

 

今では紙でできた張り子の飾り以外にもさまざまな「黄ぶな」があり、宇都宮周辺では無病息災の象徴とされているのです。

 

 

「黄ぶな」伝説が流行した理由と人気のグッズ

栃木県宇都宮周辺では無病息災の象徴として知られていたものの、もともとは地域のお守りといった要素が強い傾向にありました。

 

そんな黄ぶなが全国で注目されているのには、2020年の世界的な「新型コロナウィルス」の蔓延が関係しています。

日本ではさまざまな無病息災・疫病除けの言い伝えがありますが、一気に注目が広がったアマビエよりも、宇都宮周辺を中心に黄ぶなは身近な守り神的要素のあるものでした。

 

一般的に黄ぶなというと「神様が作ったふな」とかけた、紙から作られた張り子の置物が知られています。

その後、伝統工芸である土鈴(どれい)やぬいぐるみ、キーホルダーなど様々なものにも使われるようになり、単なる疫病除けのお守りというだけでなく、地域を活性化させるための特産品としても知名度が一気に上がりました。

 

新型コロナウィルスの影響を受け、携帯できるキーホルダーや缶バッジ、スマホの待ち受け画面なども好評に。

また、実際に黄色いふなを食べることは難しいものの、疫病にかからないようお菓子に姿を変えた「黄ぶな」を食べることにも人気が集まっています。

 

 

疫病除けには黄ぶなだけでなく、さまざまな妖怪や神様がいる!

アマビエの人形

日本には黄ぶな以外にも、さまざまな疫病退散・無病息災に対する妖怪や神様が存在します。

 

言わずとしれたアマビエは「自分の姿を書き写し、それを御守とすることで疫病を退ける」と言い残したとされており、SNSを中心に広がって多彩な御守やグッズが発売されています。

 

以前ご紹介した神社姫も、浮世絵に書かれ疫病の蔓延やその対処方法を言い伝える妖怪です。

神様のお告げを持ってくる使いとしての立ち位置、というと分かりやすいかもしれません。

そして、 虚空蔵堂の裏手にある「鐘馗霊神堂」に祀られている、鍾馗(しょうき)様も疫病除けの神様として知られています。

 

古くは中国より伝わった道教の神様ですが、疫病除けのご利益だけではありません。

『鐘馗(しょうき)=勝機』の音が同じで縁起が良いということで勝負事にまつわることや、鐘馗様に助けられた青年が科挙に合格したことから学業成就の神様とされているなど、色々な面で人々を助けてくれる神様でもあると言えますね。

 

 

まとめ

●黄ぶなは江戸時代に関東を中心に流行った天然痘から人々を守ったとされている「黄色いふな」をかたどった郷土玩具です。

栃木県宇都宮市の田川で釣れたとされていることから、宇都宮市周辺では紙で作られた黄ぶなを祀る風習があります。

 

●新型コロナウィルスの影響も受け、全国的に黄ぶなの注目も集まっています。

元々は紙でできた張り子の黄ぶなが中心ですが、持ち運びのできるキーホルダーなども人気があります。

疫病除けを意識した黄ぶなのお菓子も発売されていますよ。

 

●日本には黄ぶな以外にも様々な妖怪や神様が疫病除けのご利益があるといわれています。

アマビエは新型コロナウィルスの影響を受け有名となりましたが、それ以外にも神社姫や鐘馗様など様々な妖怪・神様が人々の生活を守ってくれています。

 

 

厄除け・厄払いはぜひ茨城県の村松山虚空蔵堂へ。

茨城県の村松山虚空蔵堂は、平安時代に空海(弘法大師)によって創建された寺院です。

 

当山本堂の裏手には鐘馗霊神堂があり、お堂の中には鐘馗霊神の絵馬が祀られています。(諸堂・境内案内図はこちら

延宝三年(1675)に伝染病が大流行した時、鐘馗霊神の絵を奉納したところ、大流行が治まったと伝えられ、今も多くの人が参拝しています。