村松虚空蔵尊だより
2025年12月11日

こんにちは!茨城県の村松虚空蔵尊です。
初詣に行くと、たくさんの願い事が書かれた絵馬を目にします。
「絵馬には何を書けば良いの?」「書く順番やマナーはあるの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は、初詣で奉納する絵馬の意味や由来、正しい書き方、そしてどんな願い事を書くと良いのかをご紹介します。
絵馬は、仏様や神様に願いを伝えるためのものです。
現在では「願い事を書くもの」として親しまれていますが、その起源は古く、神様への祈りに馬を奉納していた風習に由来しています。
古代では、祈雨や豊作などを願う際に、神聖な生き物として神様に本物の生きた馬=「神馬(しんめ)」を奉げていたそうです。
しかし、誰もが本物の馬を奉納できるわけではありません。
そのため、土や木で作った馬の形を奉納するようになり、平安時代には、馬を板に描いた「絵馬」が奉納されるようになったといわれています。
絵馬の風習が庶民の間に広まったのは江戸時代頃です。
この頃になると、馬だけでなく、病気平癒のために目や手を描いたり、十二支などさまざまな絵が描かれるようになりました。

では、実際に絵馬を書いて奉納する際の基本のマナーやポイントをご紹介します。
まずは参拝し、仏様や神様に感謝と新年のご挨拶を伝えてから授与所で絵馬を受けるのが一般的な礼儀です。
作法としては、参拝を済ませてから願い事を書くのが望ましいとされています。
そのため、絵馬を受けるのは参拝を終えた後にするのがおすすめです。
初詣での参拝の仕方については「初詣での願い事の仕方は?伝え方や参拝の方法をご紹介」や「初詣のお賽銭はいくら入れるのが良い?お賽銭の意味や参拝方法も確認」で詳しくご紹介しています。
絵馬には絵が描かれている面と、何も描かれていない面があります。
描かれていない面(裏面)に願い事を書きます。
雨や風で文字が消えないように、筆記具は油性ペンを使うのがおすすめです。
絵馬には基本的に以下の内容を書きます。
・願い事(お礼の場合はお礼の言葉)
・名前
・住所
・日付
書き方は、縦書きでも横書きでも問題ありません。
文体は「〜ますように」といった願いの気持ちや「〜しました」といった願いが叶った感謝を丁寧に表現しましょう。
名前や住所は、願い主が誰かわかるようにイニシャルや都道府県名だけでも構いません。
個人情報が気になる場合は省略しても良いでしょう。
家族や友人のために、代理で願いを書くこともできます。
遠方の方や病気の方に代わって奉納することも、心のこもった祈りとして仏様や神様には届けられますので、ご安心ください。
絵馬を書き終えたら、境内にある絵馬掛けに奉納します。
願い事を書いた裏側が見えるように掛けるのが本来の作法です。
他の方の絵馬を落とさないよう、余裕のある場所にそっと掛けましょう。
仏様や神様への奉納物ですので、基本的には持ち帰らず、その場で奉納するのが一般的です。
ただし、一度持ち帰ってじっくり書きたい場合は、神棚など目線より高い位置に保管し、後日お参りして奉納しても構いません。
初詣の成り立ちを知ると、絵馬に込める祈りの意味がより深まります。
ぜひ「初詣の意味や由来、歴史を知って有意義なお参りに」もご覧ください。
また、絵馬と同様に、お正月の縁起物である破魔矢の正しい扱い方については「初詣で授与される破魔矢とは?飾り方から処分方法まで解説」をご覧ください。
絵馬に書く内容に決まりはありませんが、心を込めて丁寧に書くことが何よりも大切です。
願い事は一枚に一つを目安にすると良いでしょう。
いくつも願うより、一つの願いに真剣な気持ちを込める方が、より祈りが届きやすいとされています。
また、他人を傷つけたり、不快にさせたりするような内容は避けましょう。
絵馬は、仏様や神様に感謝と願いを伝えるためのものです。
清らかな心で書くことが、願いを結ぶ第一歩です。
絵馬に書く願い事に決まりはありませんが、一般的によく書かれる願い事をいくつかご紹介します。
・「志望校に合格しますように」
・「試験で実力が発揮できますように」
受験や資格試験を控えた方が多く奉納する絵馬です。
願い事は「合格祈願」と一言で書いてもOKです。
村松虚空蔵尊では、知恵の仏様「虚空蔵菩薩」が学問成就のご利益で知られています。
・「家族が健康で過ごせますように」
・「一年間元気に過ごせますように」
・「事故のない一年でありますように」
初詣の絵馬には、家族の健康や一年の平穏を願う言葉が多く並びます。
また、「病気が治りますように」といった病気平癒の祈願もよく見られます。
・「すてきな出会いがありますように」
・「恋人と仲良く過ごせますように」
恋愛や結婚に関する願いを書く縁結びの絵馬も多く奉納されます。
相手の名前を書く必要はなく、「良縁成就」と一言添えるだけで気持ちは伝わります。
・「無事に出産できますように」
・「健康な子に恵まれますように」
家族が増えることを願う絵馬は、お母さんやご家族の温かい気持ちが込められたものです。
日付や予定日を書き添える方もいらっしゃいます。
願いが叶ったときは、「お礼参り」に伺うのが良いとされています。
「叶いました」「ありがとうございました」と書いた新しい絵馬を奉納すると、感謝の気持ちがより丁寧に伝わります。
絵馬と合わせておみくじを引き、今年の運勢を占うのもおすすめです。
初詣のおみくじについては「初詣といえばおみくじ!引ける回数は?いつまで引ける?」をご覧ください。
●絵馬は、仏様や神様に願いを届けるための大切な奉納物です。古くは祈りの象徴として、生きた馬や木で作った馬形を奉納していましたが、平安時代には馬を板に描いた「絵馬」が登場しました。江戸時代には、庶民にも広まり、病気平癒や豊作祈願など、さまざまな絵柄の絵馬が生まれました。
●絵馬を書くときは、まず本堂にお参りをして感謝と新年の挨拶を伝え、絵馬を受け、心を落ち着けてから書き始めましょう。願い事は絵のない面(裏面)に、油性ペンで丁寧に記します。一枚に一つの願いを込め、他の人への思いやりを忘れないようにしましょう。書き終えた絵馬は、願い事の面を外に向けて絵馬掛けに奉納します。
●絵馬に書く内容に決まりはなく、合格祈願・家内安全・良縁成就など、自分や家族の幸せを願うものが多く見られます。願いが叶ったときは「ありがとうございました」とお礼の絵馬を奉納すると、感謝の心が仏様や神様に届くとされています。初詣の際は、自分や大切な人の一年を思い浮かべながら、心を込めて願いを記してみましょう。
茨城県の村松虚空蔵尊は平安時代に空海(弘法大師)によって創建された寺院です。
茨城では「村松の虚空蔵さん」と呼ばれて親しまれ、初詣をはじめ、十三詣りやお宮参り、節分追儺式など様々な年中行事で護摩祈願を行なっています。
ぜひご来山ください。